学資計画

ドクターズライフプランニング②


 私たちの経験上、顧客のご子息の約8割は医学部、歯学部に進学されています。また私立に進学するか国立に進学するかにより学費負担額も大幅に変わってきます。
 私立医学部の場合、6年間の学納費平均は約3,200万円ですが、日本国内の生命保険の学資保険の限度は1,000万円と定められていますので、大幅に不足しています。また現在学資保険商品の返戻率の最高は、一括払いで約109%です。例えば1,000万円を積立てていてもお子様が18歳の時に1,090万円にしかなりません。
 プラスになるならまだましですが、中には500万円の学資を受取るために550万円の積立が必要なマイナスの学資保険もあります。お子様の学資積立が目的なはずなのにマイナスになるのは本末転倒です。
 これは生命保険の商品設計の問題があります。オプションとしてお子様の死亡保障、(医療)入院保険が組み込まれており、550万円の内訳はざっくりと500万円が積立で50万円が死亡保障と医療保険がついていることになります。契約者本人が亡くなった時にも学資の受取は約束されるというメリットはありますが、かなりの低確率な可能性に保険料を支払っていることになります。

 

 

 ご周知の通り日本では国民皆保険制度で何らかの健康保険に加入することが義務付けられています。自治体によって差はありますが、医療費負担は小学校入学前であれば基本2割負担です。
 ちなみに明石市は中核都市としては初めて2021年7月から高校3年生まで医療費を一律無料にするそうです。
 現在高齢化にともなう社会保障費が圧迫され現役世代に負担がのしかかる問題はあるにせよ、国民皆保険制度は被保険者側からすると素晴らしい制度だと言えます。
 よって私たちは学資保険のオプションとしての子供の医療入院保険は多くの方が不要であると考えます。私たちのコンサルティングでの学資計画の立て方は、まず仮にでもお子様の進学先を決めます。
 お子様の進学先が未定である場合は、私立の医学部・歯学部に設定した学資計画を立てることをお勧めしております。小さいお子様が進学校を決めていることは稀ですので、私立出身のクライアントはご自身の出身校、もしくはご自宅に一番近い大学に設定されることが多く見受けられます。
 また免許取得の観点から、国家資格の合格率で選択される方もおられます。2020年の医師国家試験の合格率は92.1%とどの大学も概ね90%を超えておりますが、歯科医師国家試験は65.6%で国立平均は77.9%、私立平均は61.7%ですが各大学でバラツキがあります。
 余談である方から聞いたお話ですが、ある歯科医院の院長の息子さんが二浪して某歯科大学に合格されたそうです。しかし苦労して入学したにもかかわらず、サークル仲間と毎晩のように遊び散財し、ほとんど授業に出ていなかったそうです。2回目の留年が決定してからほどなく、父親である院長から「大事な話がある」と実家に帰るよう連絡があり渋々帰られたようです。実家のリビングのテーブルに並べられていたのはクレジットカードの明細や領収書。院長のカードで支払った総額約2,000万円、予備校と歯科大学の学費などを合わせると4,000万円ほど。「これ以上は面倒見きれない、家に帰ってきなさい」と中途退学を促されたようです。
 息子さんが元々歯科に進みたくなかったのか、親への反抗なのか、期待へのプレッシャーなのか、そのあたりの背景は定かではありません。しかし卒業見込みもなく、仮に卒業できたとしてもライセンス取得はいつになるかわからない我が息子に対して、院長は金銭的にはもちろん将来の可能性に見切りをつけたのだと思います。
 国公立私立を問わず無事卒業しても、ライセンスがなければ全く意味がないからと国試合格率が高い大学を選択希望されるお気持ちには頷けます。

 

 

 仮の進学先が決まると必要な学資(学納費+α)をライフプランに落とし込みます。不足している場合、支出から学資に充当できる額を算出します。基本的に必要な時期に必要な金額をライフプランで数値化し、学資の過不足を見ていく逆算式の計画の立て方をします。
 +α(プラスアルファ)の部分は学納費以外にかかる生活費で住居費がその多くを占めます。住居費とは賃貸マンションやアパートの月々の賃料が一般的ですが、最近は大学の近くにマンションを所有する方も増えてきました。最低6年間はお子様が住まれ、その後は賃貸に出して将来的な不労収入を得ていくスキームは、賃料を払い何も残らないよりは長期的には投資効率がいいようです。
 私たちも最近顧客からのご依頼で中古マンションの物件探しからリノベーション工事までお手伝いさせていただきました。出来上がりの物件に住むよりも、間取りはもちろんキッチンなどの設備やフローリングなど自分好みで選んでいただきましたので、大きな合格祝いですが大変満足されていました。

 

 

 学資の不足分は前述した通り日本の生命保険だけでは足りません。100%貯蓄だけで積立されるよりも、比較的リスクが低い投資商品、中期的(10年~15年)にプラスになる生命保険、海外の商品にも目を向けて「お金」に働いてもらうのも選択肢の一つです。
 例えば4,000万円の学資計画であれば、2,000万円を貯蓄(円)、1,000万円を国内生保、500万円は投資信託、500万円は海外投資商品などの資金構成にします。貯蓄のみで考えるよりも、リスクが低く抑えられ資金は4,000万円以下で済む可能性はあります。

 学資計画はお子様の望みや夢を叶えるための大事なプランです。金銭的にサポートできなかった時が親としては一番つらいはずです。だからこそしっかりとかつ慎重に計画を立てるべきです。「ウチは学資保険入っているから大丈夫!」と安心している方こそ、一度見直してみることをおすすめします。

 自分が親にしてもらったように、自分の子どもも不自由なく進学させたいとお考えの医師は、ほとんどなのではないでしょうか。いざという時に慌てないように、しっかりと準備しておくことが大切です。院長のライフプランをもとにお金に働いてもらうことで無理な貯金をせずとも必要額を準備できる場合もあります。
 準備期間が長いほど低リスクで運用が可能です。時間を味方に付けることが重要ですので、気になる方は一度ご相談ください。

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